悠然たる学び

 今朝の天声人語より・・・
遊ぶと学ぶは同じこと。といえば、はてと首をひねる方もいるだろう。「伝説の国語教師」と呼ばれ、一昨年に101歳で亡くなった橋本武さんの言葉である。「遊び感覚で学ぶ」ことの大切さを説いた。
 神戸の灘中学・高校で長く教壇に立った。教科書を用いず、中勘助(なかかんすけ)の小説『銀の匙(さじ)』一冊を中学の3年間かけて精読する授業で知られた。ガリ版刷りの自作の教材を配る。作品に桃の節句が出てくれば、端午の節句や七夕にも説き及ぶ。大きく「横道にそれる」教え方だった。
 本文に登場する駄菓子の食べ比べをしたり、凧(たこ)を作って揚げたりの授業。自分の興味を自分で引き出し、自分でどんどん掘り下げる。自分で調べて見つけたことは「一生の財産」、という信念を貫いた。お仕着せの詰め込み教育の対極だ。
 そんな悠然たる学びなど無用ということだろうか。文科省が8日、全国の国立大学に通知を出した。人文社会科学系や教員養成系の学部や大学院を見直して、廃止や、より需要の多い分野への転換を考えよ、と。
 理工系に力を入れ、技術革新を生み出し、成長につなげる。職業教育を強化し、実社会に即戦力を送り出す。手っ取り早く、目に見える成果を出せということか。しかし、人文系の知を軽んじていいということにはなるまい。
 文理融合が必要な研究課題は数多い。生命倫理や環境倫理は好例だ。効率のみの追求は学問全体を衰弱させないか。橋本さんに至言がある。「すぐ役立つことは、すぐ役立たなくなる」 

    昨年、母校のポスターを依頼され、数人だけど在校生や卒業生とお会いしお話をさせて頂いた 
短い時間だったが、夢を語る目が輝き言葉使いの丁寧さ・・・等心打たれた 
テストの点数で良い点をとることも偏差値が上がることも大切かもしれないがそれ以上に大切なものがある事を教えられた 
そこでキャッチコピーは「尾瀬の山ふところに  人をつくる  そんな学び舎がある」にした 
日本に2校しかない自然環境科、立派な施設をおおいに利用しより多くの人に悠然と学んで欲しい・・・ 
そんな願いを込めて